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中華料理



中華料理の四大の系統

  中国旅行中の楽しみの一つは、本場の中国料理を味わえることだろう。中国では、料理は不老長寿が目的となっているので、味および栄養の優れていることは世界的に定評がある。また、料理の材料も広範囲にわたり、豚の腹子、熊の手の平、マムシ、ツバメの巣などが珍味とされる。中国は地域が広大であるため、気候的、地理的関係から、料理は幾つかの系統によって発達した。十大系統、八大系統、四大系統などいろいろな分類があるが、総合的に見れば、北京料理、上海料理、広東料理、四川料理の四つの系統に分けられ、好み、産物、宗教的などの面からそれぞれ特色を見ることが出来る。

(1) 北京料理

   清朝(1636−1912)の宮廷料理として発達したもので、中国語では「京菜」という。清朝が盛んなところには各省から宮廷に珍しい料理が献じられた。また、自慢の産物、腕利きの料理人が北京に送られ、皇帝の前で腕を競い合った。その献納の料理から選び出されたものをさらに宮廷の料理人が研究して宮中料理としてものである。したがって各省の粋を集めた料理でる。小麦がおおく取れるので、「饅頭」「包子」などがよく作られる。また、寒い北方地方なので、カロリーの高い料理が多い、ことに揚げ物及び炒め物に優れている。名物料理には「北京ダック(アヒルの丸焼き)「ジンギスカン料理(モンゴルから伝わってきた野趣たっぷりの羊の鉄板焼き)」「しゃぶしゃぶ」などがある。

(2)上海料理

  上海を中心とした料理で、中国では「淮菜」という。長江流域に源を持つ料理で、海の幸に恵まれており、蝦、蟹、川魚料理が多い。その特色は比較的に醤油や甘味を多く使い、味が濃厚なことで、日本人好み。上海には各国の租界があったので、早くから欧米の文化を取り入れた。そのため料理も洋風が取り入れられている。また、米を多く産するので、米飯に合う料理が多い、有名な料理に「紅焼元魚」(すっぽんをお湯がいて、さらに炒めた料理)「八宝鴨アヒルの腹に蓮のみ、椎茸、ハムなどを詰めて蒸したもの)」「什錦沙鍋豆腐(五目豆腐鍋)」などがある。

(3)広東料理

  広東を中心として料理で、中国語では「粤菜」という。「食は広州にあり」「鳥獣虫蛇を問わず食わざるものなし」といわれるほどにいろいろな材料を使う南国的風味に富んだ料理が多く、「蛇料理」「子豚の丸焼き」「アヒルの水かきをカキ油で炒めた料理」などが有名である。広東は港町であり、早くから海外諸国と交流があったので、料理も各国人の好みに合うように味付けが考えられた。このため、広く海外にも発展し、世界各地で行われている中国料理は広東料理であるといっても過言ではない。

(4)四川料理

   四川省付近の料理で、中国では「川菜」という。辛味、唐辛子、にんにく、生姜、ねぎなどの香辛料、調味料を配合した刺激したの強い味付けで、辛口中心のユニークさを誇る。四川省あたりの気候は湿潤で、口内をぴりぴりと焼くほどの辛さで食欲を刺激するのが特徴である。また、大豆を多量に産するので、豆腐料理が有名。「麻婆豆腐」(マーポー豆腐」「干焼蝦仁(小蝦の辛味炒め)」「タンタン面(ゴマ味噌と唐辛子の効いたタレをたっぷりかけるうどん))などが有名である。(ザーサイ)の名で親しまれている漬物 も四川省の代表的なものである。


  日本ではすでに遣隋使、遣唐使の昔からその文化とともに料理ももたらせており、当時朝廷の食物は中国のものを模倣したものであった。また、中国と最も往来とたのは僧であったから、精進料理が「普茶料理」として伝わり発達した。明治の半ば頃になると、神戸や横浜などの港町に中国人による料理店が出来、明治の末頃になると、東京の日比谷に陶陶亭が出来るなど、中国料理の評判が高くなって、年とともに普及した。しかし、一般的になったのは昭和時代になってからで、庶民的なラーメン、焼きソバ、シューマイ、チャーハンなどが広く知られるようになった。また、食生活の合理化、栄養の普及などが要求されるようになると、その目的に合致するところから、中華料理が注目されるようになり、家庭料理としても取り入れられるようになった。しかし、日本における中国料理は中国本土の料理とはかなり趣を異にし、日本人の好みに合わせたものとなり、味付け、材料、食べ方なども日本的になり、本来の料理とは異なったものが多い。




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